今日は今年5回目の小川先生のシン・インテグレーションのセッションへ。
最初、いつものようにカウンセリングがあったので
ここ暫くの印象や気付いたことなどをお話して、当初の予定通り
「Kinesphere」がテーマのセッションを進めて頂く事になった。
最初は、アナリシスから始まり
正面、側面、後ろ側からの身体の状態を
時々、体重のかかり具合を確認なさいながら観察していらした。
側面をアナリシスしている時に
「…大転子、肩峰、耳…ふーん、ラインは崩れないのですね。」
と、呟いていらしたので、
前回、アプローチして頂いた部分をいじると
そのラインに崩れが生じるような場合もあるのかな???と思ったりもしたが
とりあえず、そのラインは保った状態だったようだ。
Kinesphereのセッションを行うにあたって、
手を使う場合と、脚を使う場合があるのだけれど
腕を使ったエクササイズには肩の自由な動きが必要との事で
これまで余り肩はアプローチして頂いた事が無かったので
施術は肩を中心に行って頂く事になった。
それから、
「先生、ピョン吉ってご存知ですか?ど根性ガエルの。」
「はい、知ってますよ!?」
「無意識に動いちゃった時や、ちょっと精神的に緊張した時に
ピョン吉が、まず動きを引っ張ろうとするのを
リアルタイムで見つけちゃうことが多かったんです^^;」
「なるほど(笑)じゃあ、ピョン吉が動き出さないようにしましょう(笑)」
なんて話もした(笑)
実際「ピョン吉(のような反応)」の存在は
動きに追われたりすると生じやすいのは以前から自覚していたのだが
どちらかというと、動き始めてから気付く感じだったのが
何故か、このところは
その最初の瞬間を捉えることが多くなっていたのだ。
「まず、肩甲骨の動きを確認してみましょう。」
ということで、後ろ向きに立ったところで
小川先生が左右の肩甲骨の上に軽く掌を当てられて
「掌の動きに合わせるように肩甲骨だけを動かしてみてください。」と仰る。
まずは片方ずつで、上へ、下へ、外側へ、内側へ、あるいは斜め上にと
掌の動きを追っていく。
上下、外側、あるいは斜めに外に向かう動きは割りとスムーズだが
内側に向かう動きはどうもスムーズじゃない。
どちらかというと、むしろ肩甲骨間を収縮させるような癖は出やすいはずなのに
意識で操作しようとする時は、逆に不得手なのだということが意外な感じだった。
でも、考えてみたら、無意識のうちにでる癖や反応が生じる箇所というのは
それだけ、意識的な操作が利かないということなのかもしれないし
あるいは、できれば手放したいと思っている
収縮の方向性を持つ動きだから、
どこかで心理的に、その方向への収縮をさせたくないという意識が
働いてしまっているのかもしれないとも思った。
施術は仰向けで、鳥口突起の下を押さえながら
背中側から反対側の手で押さえて
サンドイッチ?されるような感じで
あるいは、腋窩から深く手を差し入れる形で
圧を加えたところで、指示された方向へ腕や肩を動かしたり
廻旋させるようなことを組み合わせつつ
時折、恒例の「これ、な~んだ?」攻撃(笑)も交えながら
リリースされている、個々の筋肉が動きによって
緊張したり、緩んだりするのを感じることを
自分でも確認するよう促されながら進んでいく。
登場したのは、大円筋、小円筋、棘下筋、棘上筋、肩甲下筋、肩甲挙筋、菱形筋
「ピョン吉の活動」に関連する前鋸筋の停止部
といったところだったろうか。
動き、感じながら、個々の筋肉をビジュアライズし
ふーん、こんな風に働きあっているんだなと
体感で確認できて面白かった。
時折、小川先生が
「普通の人が難しい動きが、かえってスムーズに出来るんですね。
ボディワーカーのワークショップなどで、この動きを試みても
誰もできなかったりするんですよ。」と
不思議そうに仰っていらしたが
多分、その動きはバレエのポール・ド・ブラで
体幹を保ちながらアームスの動きを操作する
使い分けを要するような時の感覚と似ていたから
おそらく、バレエをやっている人だと
スムーズに働く傾向のある動きなのではないかなと感じた。
最初、左側だけをリリースして
立ち上がって確認をすることになったが
もう、立ち上がる前の時点で
左だけが肩幅が倍くらいに広がったような気がするくらい
その差異は明らかだったし
実際に立ち上がってみると
重力で腕がぶら下がる感じや、肩がストンと落ちる感じが
とても印象的だった。
続いて、右側の施術になり
右は多分PC作業などで酷使して固めた時期も長かったし
多分、左より癒着が多いだろうと思っていたが
実際、癒着は多いにしても
動きに関しては、左で一度それを脳が学習したからか
あるいは利き腕だからか
左の時より動きのコツを掴むのが早いように感じられた。
そして、お待ちかねのKinesphereのエクササイズ。
肩幅程度に脚を開いて立ち
2~3m離れた壁の目線の位置に、先生が赤いマーカーをつけた。
「今から手をとって動かしますから、あのマーカーを見たまま
視野に自分の手が見えたら”見えた”、見えなくなったら”隠れた”と
心の中で呟きながら周辺視を感じてみてください。」とのこと。
最初、身体の側面に自然に落としていた腕の
肘と手先を先生が持って
前後へジグザグの動きをさせながら、
次第に上昇させていく。
自分でもちょっと意外だったのだが
結構、広い範囲で「見えている」もので
所謂、バレエのポール・ド・ブラで通る軌道は
全て視野に収まるだけでなく
特に、ドゥミ・スゴンドの辺りから、ア・ラ・スゴンド、
そこからアン・オーになる途中までの
角度にして90度くらいの間は身体の後部側に入り込むくらいのところ
所謂、前頭面(冠状面)を超えたところでも
視界に入る手を感じた。
そして、ただ見え方を確認するだけでなく
その時の筋肉の働き方や
重心が移動する感覚にも同時に意識を向ける。
最初は、自分は力を抜いて、先生の導きに合わせてだったが
次は自分でその動きを続けながら
自分の視野に入る空間の境界線を探るように
ジグザグで上昇する動きを繰り返し
その境界線を感覚で掴めたかなという段になって
今度はジグザグではなく
その境界線をトレースするように
滑らかに動かしていくことをした。
更に、今度は実際の視野から外れても
その手の存在をビジュアライズして
感じ取れる範囲まで広げて
視覚以外の感覚で捉えられる空間へと
動きを広げていくこともした。
肩のリリースをして頂いた後なので
いつも以上に自由に動くアームスが気持ちよく
その軌道を感じながら
基本的にはバレエのアン・バから、ア・ラ・スゴンド、
アンオーへと繋がるポール・ド・ブラの軌道をベースに
斜め後方へアロンジェするような範囲とか
白鳥のアームスで出てくるような範囲は
私にとって、一応Kinesphereの領域なんだなと
感じたりもした。
※Kinesphere
「身体周囲において運動の可能性を予示する空間」
「身体図式に基づく運動空間」
また、左右それぞれの腕のエクササイズを一通り行った後の
身体が感じる空間の印象を確認もしたが
確かに、そのエクササイズを行った後は
より、空間のリアリティがはっきりとして感じられ
また、自分自身と繋がっている感覚があった。
それから、身体を正面に向けたまま
首を左右に向けることも試みたが
最初にKinesphereのエクササイズを行った右側は
動きをつけるときでも
頭がそちらへ向いていく動きと
視線の動きが自然に同調するのに比べて
まだ行っていない左側は、最初に視線が動いて
身体の動きがそれを追うような、
視線が動きを先取りして引っ張るような感じだった。
その後、左側のエクササイズも行ってから同じ確認をすると
今度は左側も頭の動きと目の動きの時間差が無くなって
動きもよりスムーズになったことを感じ
きっと、この状態でピケターンをしたら
右も左もスムーズに身体がまとまるだろうと思った。
そして、次は脚でも同じことを繰り替えす。
バレエのレッスンではないから
そう高いところまで脚を上げはしなかったが
多分、アームスの時と同じように
バレエの動きの軌道が関わる範囲に沿って
Kinesphereの広がりはあるのだろうなという感じがした。
Kinesphereの領域というのは
その柔軟性を広げられる範囲でもあり
本来、動きをコントロールし得る領域で
それは広げていくこともできたり
Kinesphereが濃い、薄いと表現するように
その捉え方の密度も向上させていくことができるものなのだそうだ。
このKinesphereのセッションは
バレエやダンスのパフォーマンスの向上には
とても効果的なのではないだろうか。
範囲を広げたり、より濃く感じられるように
これからも、時折このエクササイズを行ってみようと思う。
セッションルームから駅までの道を歩きながら
感じる空間の広がりや、肩の動きの自由さだけでなく
歩くという動作の中でも
全身のコーディネーションが格段に良くなっていることにも驚いた。
施術は肩の周辺だけだったのに
案外、そこに隠れていた癒着が
全身に影響を与えていたんだなと実感し
次のバレエのレッスンが更に楽しみにもなった。
今回も、文字通り「世界の眺め」が変わるような体験や気付き
それをバレエに繋げていくためのヒントを
両手に抱えきれないほど頂いたセッションだった。
小川先生、ありがとうございました。