【CoolBallet】
暦の上では、もう冬。
朝晩はだいぶ冷え込むようになってきたが
午後の陽が燦々と差し込むこの日のレッスンでは
リラグゼーションでフロアに横たわっていても
太陽のブランケットに包み込まれたような
心地よい温もりとともに
この1週間の疲れが溶け出していくように感じられた。
こうして、フロアに仰向けになって
自分の内側の感覚を味わっていると
床と自分の身体の接点の感触でも
その日の身体の状態がよく判ったり
脱力しているようでも
微かに残る緊張がある部分を感じたりする。
それを気功と、自らの呼吸とイメージで
丁寧に解いていくような時間は
自律神経系のバランスを整え
次にバーで、正しい動きを身体に味わわせていくための
感覚という土を柔らかく耕して
その根付きを良くするための準備をしているようなものかもしれない。
かれこれ、2年以上経つが
いったい、ここでどれだけの時間
ドゥミ・プリエを繰り返した事だろう。
一度のドゥミ・プリエにスローモーションのような時間をかけるから(笑)
通常のバレエ・レッスンに比べれば回数は少ないのかもしれないが
丁寧に時間をかけ、
その都度、身体の状態によって
適切なイメージの持ち方を導いて頂きながら
感覚を味わいながら重ねてきたレッスンは
一見単調な繰り返しの中に、
ドゥミ・プリエという動きで働き合う身体の内部の
実はとても複雑で繊細なコーディネーションを
様々な角度から眺めるようにして感じる
同じようでいて、一度として同じではない繰り返しで
それは、少しずつ、でも確実に
動きや身体を変えていく。
「洗練」という言葉があるが
この一度一度のプリエが
動きの中の過ぎたるものを洗い流し
複雑で繊細な感覚を新たに目覚めさせ、練り合わせ、浸透させていく
それは、技や操作というより
自分の意識の及ばない深いところで
根付いていってくれることを
祈るような時間であるようにも思う。
【レッスン】
仕事も忙しくなって
全く座ることなく立ち続ける時間が6時間を越す事があったり
だいぶ寒くなってきたせいもあってか
少し右足のハムストリングスの張りが出ているように感じる昨今。
また、痛みが出たりすると厄介なので^^;
バーレッスンの前のエクササイズの時間の
ストレッチ的な要素のある動きでは
少し慎重に身体を動かすようにしている。
冬の身体の目覚めさせ方は、
やはり夏の身体とは違う。
冷えや疲労があったりして
同じエクササイズの中でも
ちょっと張りが強く感じられるときは
余り動きを大きくせず
場合によっては、程ほどにテンションがかかったあたりで
ちょっと静止して
でも、内側は
短く吸って、深く、細く長く吐くゆったりした呼吸を
絶えず繰り返しながら
末端まで行き渡る呼吸の波と重力で内側がゆっくり緩んでくるのを
味わいながら待つような感じで
かなり、マイペースかもしれない^^;
でも、ストレッチ的な要素もあるが
このエクササイズの時間の中で
まず大事なのは身体の内部を緩めながら感じる事だと
私は思っている。
特に尾骨に意識を向けたり
尾骨の動きをきっかけにするものがいくつかあるので
骨盤底筋群の感覚を
その時間の中でしっかり目覚めさせ活性化させることができると
その後のバーレッスンの時の感覚が捉えやすくなったり
身体がまとめやすくなるので
特にそういった動きのときは
なるべくしっかりビジュアライズすることを大事にしている。
ビジュアライズといえば、
骨盤底筋群については、横からの図や
下からの図というのはよくあるのだが
大阪回生病院のサイトの
理学療法だより(日常生活動作の注意事項について)に掲載されている図は
上から眺めおろしたような視点の立体的なもので
とてもイメージが持ちやすい。
おそらく医学書院のプロメテウス解剖学アトラス (頚部/胸部/腹部・骨盤部)
なのではないかと思うが
次女が学校で使っていて
持ち歩くにはかなり重いので^^;
普段は家には無いから
今度、荷物の少ない日に持ち帰ってもらって
確認してみようと思う。
【雲門舞集】
3月に、またクラウドゲイト・ダンスシアターの来日公演があり、
チケットをGET♪
今回は「White」という2006年に制作された
3部構成の作品とのこと。
かなり以前、行草を観て以来なので
「“白”という色のバリエーションを、3つの異なるテイストで探求」という
リン・フアイミン氏の織り成す世界がどのようなものかが
今からとても楽しみだ。
音楽は
スティーヴン・スコット 「ミネルヴァの網」
アレックス・クライン 「火花のごとく舞い上がる」
権代敦彦 「終わりの始まり/終わりの後に」
自宅にあった、ドキュメンタリーと「流浪者之旅」を
久しぶりに観た。
その中のリン・ファイミン氏の談によれば
舞踊団の名前となっている「雲門」は
5千年の前の黄帝の時代に儀式として舞われた
中国最古の舞踊だそうで
舞踊自体がどういったものかの伝承は途絶え
名称だけが中国の礼書「周礼」に記載されていて
雲=踊り 門=威厳 を意味するそうだ。
【読書】
今週読んだのは
多田富雄「寡黙なる巨人
」
世界的な免疫学者であり、
能の脚本なども手がける方。
脳梗塞に倒れ、右半身不随となり、声を失った。
そこに綴られている闘病の日々は
「麻痺は動かないといった生易しい苦しみではないのだ」
という言葉の通り
ただ、想像の中でわが身と置き換えて考えてみただけでも
辛くなるようなものだった。
絶望の淵を彷徨いながらも
病苦と正対し、それを受け入れ
自らの中に目覚めた人格を「寡黙なる巨人」と名付け
生きる実感と喜びを見いだしていく。
そして、社会的な問題に憤りを感じ
文字通り命を懸けて闘っていらっしゃる。
氏の文章に最初に触れたのは
現代思想 2006年11月号 特集=リハビリテーション
の
「患者から見たリハビリテーション医学の理念」だったが
今回、この本を読んで改めて
麻痺やリハビリテーションについて
診療報酬改定など社会や国のあり方について
そして何より、生きるという事について
深く考えさせられた。
私には何ができるのだろう・・・
結局、ここで本を紹介させて頂く事と
理学療法士を目指す次女に
読むことを薦める事くらいしか思い浮かばなかった。